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バレなかった。
きのうのゆかの行動は。
というのもりゅうちゃん、帰ってくるの遅かったんだあ。
あのお墓の大掃除をまた頑張ってたみたいでクタクタだった。
外に夕ご飯を食べに出る元気もなく、ゆかがコンビニでいろいろ買って帰ってきた時には、りゅうちゃんもう寝ちゃってた。
はあ。
ゆかなにやってんだろ。
りゅうちゃんに隠れてこそこそこそこそ。
バレなかったのは良かった、と思うけど、バレて、責められたほうがいいかも、とか思っちゃった。
ほんとはゆかが一人で変にかぎまわったりしないで、りゅうちゃんにドーンとぶつかって全部聞き出したらいいんだけどね。
なんていうかりゅうちゃん、見えない壁みたいなものを張り巡らせてるんだよね。
笑顔でいつもゆかに優しくしてくれるんだけどさ、笑顔の上に、絶対に取れないヴェールみたいなのをまとってる感じ。
うまく、説明できないんだけど。
でも、笑顔が「仮面」か?っていったらそういうわけじゃあないの。
ああ、もうホントうまく説明できない。
なんだろう、この近くにいるのに近寄れない感は。
たぶんりゅうちゃんは、結婚して一緒になっても、死ぬまでそのヴェールを外さないよ。
ゆかが、踏み込めない領域なんだ。
でもゆかは知りたい。りゅうちゃんのこと全部。
大好きだから。
りゅうちゃんはそれをたぶん許さないんだろうけど。
人って大抵誰にも言えないことを抱えてたりするものだけどさ、せめてゆかだけには言ってほしいんだよ。
どんなことでも。
驚いたり、怖がったりするかもしれないけどさ、でも、絶対に嫌いになんてならない自信があるんだよ、ゆかには。
だからもっとゆかを信じて。
結婚するまでに、抱えてるもの全部ゆかにぶつけてよ。
仕事のことでも。友達のことでも。過去のことでも。
ゆかは、なにがあったって大丈夫だから!
いろいろ仕事をこなして来て、結構度胸もついたんだからね!
いつかこれをりゅうちゃんが読んでくれる日がきたら、いいな。
今日は、朝起きたりゅうちゃんに、「どうしても行ってみたいところがあるの」とわがままを言って、あの牧場に連れて行ってもらうことにした。
りゅうちゃんは何も疑わなかった。
もしかしてとっくにバレてるのかもしれない。
それでもいいや。
バレてもいい。
それが、りゅうちゃんの壁を壊すきっかけにでもなってくれれば。
心の奥ではそう願ってる。
ゆかたち、もっとケンカとかしないとダメなんだよ、きっと。
そうおもった。
仲がいいのはとっても良いことだけど、たまには本音でぶつかってきて。
ゆかもそうしたい。
料理をめんどくさがってコンビニに通うこと。
デートの約束の日を勘違いしてすっぽかしちゃったこと。
ぶきっちょなとこ。
甘えんぼなとこ。
わがままなとこ。
もっと叱っていいんだよ。
もっと怒っていいんだよ。
運転するりゅうちゃんの横顔みてそう思った。
「なに?」って、ゆかに気づいて笑うりゅうちゃん。
優しいから大好き、大好き、大好き 大好き。
だけど、りゅうちゃん、ゆか、りゅうちゃんの故郷怖いよ。
あんな寂しい場所にお墓があるなんていやだよ。
人目を避けるようにして、まるで、隠されるように存在してるなんて寂しいよ。
それが「中塚」のしきたりとかなのかもしれない。
でもゆかは、もうあそこにいきたくないよ。
こわいよ。
もう、行きたくないよ。
こわいよ。
そんなことを思っているうちにあの牧場に着いた。
看板がある前で車をとめてもらう。
りゅうちゃんも車を降りようとしたからそれを止めた。「ちょっとまってて」って。
すぐもどってくるから、お願いだから、そこで待ってて。
りゅうちゃんは疑いもなしに頷いた。
気をつけてね。
またあの笑顔。
それがゆかのことを不安にさせる。
どうして、なにも追及してこないのかな。
初めて来る土地なのに。
なにも疑ってさえいない。
心配してくれるくせに。
それとも、ゆかのことなんて、ほんとは…。
「おねえちゃん。」
その声で我に返った。
驚いた。
きのうのあの女の子が駆け寄ってきた。
「きてくれたー。」って嬉しそうに笑う。
こんなときになんだけどほんとにかわいい子。
昨日も今日も一人で遊んでるなんて、ちょっとかわいそうだなあ。歳の近い子がこのへんにはいないのかな。
さて、ここまで無事に来れたからよかったけど、昨日の話では「外塚」のことを話してくれるのは、家で、ということだったっけ。
ここからさらにこの子の家までいかないといけないんだ。
どれくらい時間かかるかなあ。
女の子に尋ねると「ちょっとまっててね。」といって牧場の奥のほうへ走っていってしまった。
もしかしてこの奥に家があるのかな。
それなら近くてラッキーだけどみたところ民家はなさそうだなあ。
牧場の事務所らしき建物もあるにはあるけど、すでに廃墟だからさすがにここに人は住んでいなさそうだしね。
女の子がなかなか帰ってこないので時間潰しにこれを書いてます。
りゅうちゅんはいま何してるかな。
心配してこっそり後をつけて来てくれてたりして!?
もしそうなら嬉しいよ。
素直にすっごく嬉しい。
あ、女の子が帰ってきた。
そういえばまだ名前聞いてなかったね。
どうやら「さなちゃん」て呼ばれているらしい。
かわいいなあ。
さなちゃんは「こっちきてー。」とゆかの手を引っ張って歩き出した。
この先になにもないけどどこいくんだろう?
やっとおうちにかえれるの、というさなちゃん。
きょうやっといしがわれて、ひさしぶりにおうちにかえれるの。
??????????????
石が割れたから家に帰れるとはどういうこと?
ひっかかったけどゆかはついていくしかない。
さなちゃんは古い井戸の前で足を止めた。
こんな井戸があったんだあ。
まわりには草がぼうぼうであっちからは全然みえなかった。
えっとね、そとづかのことしってるのはおじいちゃんたち。
さなちゃんがつたなく喋る。
でもそとづかじゃなくて、ほんとは、なかづか、なんだよう。
といってニッコリした。
え?
わけわかんない、なんのことかな?
ゆかが聞きたいのは「中塚」じゃなくて「外塚」のほうなんだけど。
やだなあ、どうでもいいところの話きいてる余裕はないんだよね。
りゅうちゃんを待たせてるし。
だから断ろうとおもった。
せっかくだけど、ゆかは「外塚」のことを聞きたいからって。
そしたらさなちゃんがムッとしたのが分かった。
ともだちになってくれるっていったのに。
ああ、まあそれは確かに、今でも友達じゃん。仲良くなったし。
でも。
あーあ、ゆかにとっては時間のムダだった。
こんなちいさい子供に聞いたのがやっぱり間違いだったんだ。
もっとお年寄りとか、家に直接訪ねていけばよかったんだ。
あああ、もう後悔しっぱなしだよ。
ゆかの人生ってなんかいつもこんな感じ。
でも、いっか。
もういっか。
りゅうちゃんに聞こう。
ケンカになっても、教えてくれなくても、ゆか、ちゃんとぶつかっていくよ。
逃げたり、笑ってごまかしたり、こそこそもしない。しつこくしつこく聞いてみちゃう。なかなか答えてくれなくても。いつか教えてくれるかもしれないから。
それでいいんだよね。
それがいいんだよね。
いつもいつも考えすぎて、迷って、遠回りしすぎだけど、でも…。
それで、いいんだよね。
さなちゃんにお礼をいって、りゅうちゃんの待つ車に帰ろうとした。
ごめんね、ありがとね、じゃあ…。
瞬間、スカートを掴まれてよろけた。
すごい力に驚いた。
信じられない顔で振り向くと、さなちゃんが…。
さなちゃんの顔が…。
なにこれ!
なにこの顔!
やだあ!
怖い!
離して!
また引っ張られて前へ進めない。
逃げ出そうとしたけど、子供の力とは思えない強さで井戸まで引き戻された。服が食い込んで痛い。
離して、やめてって叫んだ気がする。
みいちゃんはやくそくまもってくれたのに。
そんなさなちゃんの声を聞いた気がする。
みいちゃんて、誰。
わけがわかんないまま、ゆかはりゅうちゃんの名前を何度か叫んだ。
助けを求めた。
でも抵抗もむなしく、それに引っ張られて転んでしまい、それと目が合った。
目が…合った。
この世のものじゃ、ないものと。
やくそくまもるよ。
なかづかのことおしえてあげるよ。
おねえちゃんにも、このひとにもね。
それ、は、微笑んだかのように見えた。
そして。
ゆかのお腹を触った手はまるで、まるで…。
全身に水を感じた。
冷たくて心地よかった。
目を閉じていたけれど、どこかに落ちていくんだなって感じた。
りゅうちゃんの故郷よりも恐ろしい場所があったなんて。
もう、戻れない。
やり直せない。
ごめんなさいりゅうちゃん。
ごめんなさいりゅうちゃん。
ごめんなさいりゅうちゃん。
疑ってごめんね、りゅうちゃん。
ごめんね。
さよなら。
終わり。
連動ブログ小説「ダレモシラナイモノガタリ 第二部 The last vacation 佐伯由香利編」のご愛読ありがとうございました。
よろしければこちらの「The last vacation 三倉隆司編」「The last vacation 高杉誠編」も合わせてお楽しみ下さい。
第一部はこちらです。
「ダレモシラナイモノガタリ 第一部 最後のなつやすみ 斉藤みのり編」
「最後のなつやすみ 早川沙織編」
「最後のなつやすみ 豊原修一編」
第三部はこちらです。
「ダレモシラナイモノガタリ 第三部完結編 私の七つのお祝いに 倉田麻衣編」
「私の七つのお祝いに 土谷千佳編」
「私の七つのお祝いに 方城瑠璃編」
「私の七つのお祝いに 青威編」
この物語はフィクションです。
登場する人物、団体名は架空のものです。
この物語の無断転載、無断使用はお断りいたします。
昨夜、りゅうちゃんの故郷からの帰りに、お好み焼き食べた。
有名店とかってわけじゃなかったけど、あるとこにはあるみたい。
でもゆか、ぜんぜん味とか覚えてない。一生懸命食べたけど、頭んなかがそれどころじゃなかった。
りゅうちゃんの故郷が怖くて。
あのあと、一通り掃除して、りゅうちゃんのご両親が眠っているらしきお墓に、結婚報告とお墓参りをして帰ってきたけど、ゆかもう、なにがなんだか。
帰りの車んなかでずっと考えてたのは、りゅうちゃん一体何人なんだろうってこと。それからあそこは一体何なんだろうってこと。
ゆか、りゅうちゃんと結婚してうまくやっていけるのかなあ。
別に、りゅうちゃんが悪い人とかそういうの全然ないよ。
ただ、あの場所見たら、驚いちゃって、プチパニックになっちゃったんだ。
頭も心もめちゃめちゃ動揺してたんだけど、なるべくりゅうちゃんに悟られないように平静を装ってたよ。そのへんは普段の仕事の技だとほめて。
でね、いまゆか、ネカフェにいるの。ホテルの近くにあってくれて助かったよ。
りゅうちゃんが、昨日お供えの花を買い忘れて行ったから、今日もあの村…地下の洞窟に行くって言ったんだけど、ゆか嘘ついて、行かなかった。
お腹がいたいからホテルで休んでいいかな?って聞いたら、心配してくれて一緒に居ようか?とか言ってくれたから、罪悪感がすごかったけど。
ごめんねごめんねりゅうちゃん。
りゅうちゃんは何も悪くないの。
ゆかの心と頭がなにかスッキリしないだけで。
だから、こんな気持ちがうやままのまま結婚とか出来ないかもって思って。
今日は一人でちょっとやりたいことがあるんだ。
ゆかの心にある、りゅうちゃん、の村のことをスッキリ解決させる!
この猜疑心を晴らすぞ!
というわけで、昨夜寝る前にいろいろ聞いたことをメモって来たんだ。
お酒が入ったりゅうちゃんは、半分寝かけながらもちゃんと答えてくれた。お掃除して疲れてたんだね。
ゆかはお肌のお手入れするフリして、手帳に書き込んでたの。
えっとまずは、あの村の名前ね。
「外塚」っていう村らしい。ネカフェの個室でさっそくサーチ。
「外塚」って地名は…ない!
高尾市朝日町外塚…ってハズなんだけど、ないや。
廃村っぽかったからもう住所が存在しないのかな?
グーグルアースで見てみたけど、山しか映し出さないし、これじゃあ調べようがないわ。
広島の歴史みたいなの調べたほうがいいのかな。そうすればあの村がなぜあんな寂しくて隔離されたような場所にあるのかわかるかもしれない。
なので予定を変更して市役所みたいなところにも行ったんだけど、閉まってたよ。そういえば連休じゃんかーもう。で、一応すれ違う人たちに聞いてはみたんだけど、誰に聞いても「外塚」とか知らないって言われたの。あんまり古い村とかは記録に残っていないんじゃないかねえー、とかも言われた。
んもう~。これじゃどうやって調べたらいいのかわかんないよ。
りゅうちゃんが昨日言ってた言葉が引っかかるんだよね。「鬼に追い出されたから、あそこにあるんだよ」って「外塚」のこと言ってた。
そんなの信じられるわけないじゃん。
鬼とか、って童話の中の話でしょ。
でも、実際あの山奥で暮らしてたりゅうちゃんたち。
だからひっかかる。
ゆかがあんまりしつこく尋ねたら、なんか、言いたくなさそうな、言いにくそうにごまかされたし。
りゅうちゃんって、一体…。
うーん。なんかこれじゃあゆか、まるで興信所の人みたいだね。
りゅうちゃんのことけっこう知ってるつもりでいたんだけどなあ。
って、いまは感傷に浸ってる場合じゃないや。
えっと、地図で調べたら、あの「外塚」に近い町があるみたいなの。
そこにいけば何か聞けるかもしれない。
一時間に一本バスが走ってるみたいだから、うまくすれば、りゅうちゃんが帰ってくる前にゆかが先に戻れるかもしれない。
もしりゅうちゃんに怪しまれたら「具合が良くなったから後を追いかけた」って言えるしね。
なんとかなるかな!
ってことでさっそくバスに乗車。
知らない土地でバスに乗るのって、東京でもめっちゃ緊張するんだよね。
行き先が不安だし、たまに間違ったバス乗っちゃうし。
でも今日はそんなこといってられない雰囲気だった。
運転手さんに聞いて、ちゃんと確かめてから乗ったし、大丈夫だった。
いつもは人見知りするのに、今日はしなかった。
バスに乗って落ち着いたら、あらためて緊張してたけど。
自分で、自分のやってることに、驚いてた。
「外塚」に近いはずの「朝日町」の「東谷集会所前」っていう停留所で降りた。
帰りのバスの時間をチェックする。
ここにいられるのは、45分間。
さっそく手当たり次第に、見かけた人に声をかけまくる。…つもりが、人なんてみあたらない。
当然だよね。連休だもん。おまけに土地勘もないし、どの辺に人が多く住んでるかとかわかんないよ。
仕方ないから人影を探して歩きまわる。
どうかりゅうちゃんがこの辺にいませんように…。
居たら居たで「言い訳」は用意してあるけどね。
もし。
もしもなにも情報が掴めなかったらどうしよう。
りゅうちゃんと結婚して、いつかゆかが死んだら、ゆか、あの地下の洞窟のお墓に入れられちゃうのかな。
あんなとこいやだ。
やだよ。
りゅうちゃんには悪いけど、あの場所はやっぱりちょっといや。
じめじめした地下のだだっぴろい空間。大空洞。
大昔の村の住人が手作業で掘ったって…。
掘っていたら、偶然発見したんだっけかな。繋がったとか、なんとか。
しかも一つや二つじゃないらしい。
ハッキリとは聞いて無いけど…。
あそこにあったすごい数のお墓。
いったい何年、ううん、何百年前からある村なんだろう。しかも記録にないなんて。
あんなにすごければ、観光地…はバチあたりかな。でも鍾乳洞みたいにすごいんだからなにか記録はありそうなものなんだけどな。
そんなこと考えながら歩いていたら、牧場って書かれた看板見つけた!
牛がいるはずだから、無人じゃないかもしれない。きっと人がいるはずだよね。連休だけど、牛をほったらかしにするはずはないし、と期待して向かった。
途中、足が震えてきた。
誰か人がいて、「外塚」のことを知っていて、その事実をもし聞けたら。
解決するのかな。この胸のもやもやは。りゅうちゃんが昔に何か悪いこととかして、あんなとこで隠れて暮らしてた、っていう理由以外ならなんでもいい。
あの村は、きっと、過疎のせいであんなになっただけだよね?誰かそういってよ~。
りゅうちゃんは教えてくれないんだもん。
でも期待通りにはいかなかったよ。
その牧場、とっくに閉鎖されてて、人どころか牛もいなかった。
がっくりしたのと同時に、何故かすこしホッとしちゃったんだあ。
ゆか、何もしらないままでいいのかなあ、って思った。
あれは掘り下げちゃいけない部分なのかな。
話したくなさそうだったけど、りゅうちゃんが教えてくれる範囲のことだけで納得していればいいのかなあーって。
でね、帰ろうとしたとき、遊んでる子供みつけちゃったんだ。
大人じゃなくてよかった、って思っちゃった。
一人でなにしてるの?って話かけたら驚いてどこか行きかけたけど、戻ってきてくれた。
子供に嫌われるとちょっとショックだよね。
人見知りしてるみたいだったからゆかからどんどん話しかけてみた。
子供のモデルさんとお仕事するときに、いつもやってるみたいにね。
そしたらその子も打ち解けてくれたみたいでいろいろ話してくれるようになったの。
その子は友達がいないから今一人で遊んでるんだよって教えてくれた。
ちっちゃくてかわいい子だった。ところどころ水で濡れてたのは、水遊びしてたのかなあ。スカートと髪が少し濡れて寒そうだったよ。
そんなちっちゃい子が知るはずもないだろうけど、何気なく尋ねてみたの。
「外塚」って知ってるかなあ?って。
そしたらその子、頷いたの!
は?まじなのかな。
この町の歴史にも残っていないような事をなんでこんなちっちゃい子が知ってるわけ!?
からかわれてるんだろうと思った。
あ、でももしかしたら、おじいちゃんとかおばあちゃんとかから、聞いたことがあるのかもしれない!それだ!
そういうことだよね。
うん、どうやらそうらしく、家族が知っているっていった。
教えてくれるかな?って聞いたら、なんかもったいぶって、お友達になってくれるなら、ってかわいいこと言ってきた。
もう全然Ok!
ゆかなんかでよければなってあげるよ~。
でもその子は更にもったいぶって、明日家につれてくから、明日またここに来て、って言い出したの。明日じゃないと無理っていうんだ。
う~ん、困ったなあ。明日はどうなるかわかんないんだよね。
明日、こっちを出て東京帰る予定なんだよね。
なんとかりゅうちゃんにお願いして、帰る前にここにつれてきてもらえるかなあ。
明日はちょっと無理かもしれない、って女の子に伝えると、すっごい寂しそうな顔したから焦った。
でも、なんとか来られるように努力するよって、指きりげんまんした。
そうだ。
「外塚」のこと、ちゃんと知りたいから、そうするしかない。
りゅうちゃんにバレないようになんとかするしかない。
またここに、この牧場に来る「理由」も、バスでホテルに帰るまでに考えておこう。
帰りのバスの中、考えてた。
後でこのブログを読み返すときには、きっと笑い話になってるよね?
明日の夜には「疑ってごめんね、りゅうちゃん」って言えてるよね?
きっとそうだよね?
りゅうちゃん。
りゅうちゃんが連れていってくれたのは、すっごい山奥だった。
道だけはコンクリートで舗装されているけど周り全部木、っていうか森。山の中。山奥。
りゅうちゃんはその何もない道端に車をとめてトランクをごそごそし始めたんだよね。
無言でやってるから車の故障とかかとおもったら、トランクからいろいろと出してきた。
バケツの中に雑巾とか、いろいろつまってた。
それからゆかに、着替えて、っていって、Tシャツとジーンズを渡したの。
ゆか何がなんだかわかんなくてボーッとなっちゃった。
せっかくりゅうちゃんの故郷に挨拶に行くんだからって、渋谷で買ったかわいいワンピ着てきたのに、なんでーって感じだった。
ミュールまでスニーカーに履き替えさせられたの。
ゆかがお風呂入ってる間に服とか勝手にいじったのかなあ?やあだあ。
なんにしてもわけわかんなかったんだけど、更にりゅうちゃんは、この先だからって言って、道もない森を下り始めた!気をつけてついてこいよって。
は?って感じ。
だいたい道ないし。
てかどこいくんだようりゅうちゃん。
しょうがないからついていったよ。
10分か15分くらいかなあ、歩いたの。
道もないところを進んでいくから枝とか草とか掻き分けて進むのがめちゃめちゃ大変だったし、手とかに切り傷できた。痛い。これワンピで通ったら全身切り傷だらけになってたなあ。
それでね、ついたその場所が故郷だ、なんて言ったんだよ。
なんにもないところ!
ただの…なんだろう森の中、っていうか、山の中。
昔はそこに湖があったっていうんだけど、そんな面影なんてなかったよ。草と木しかなかった。
なんかゆか、だまされてるのかなあ?
それとも手の込んだサプライズ?
だって、だって、そこには、人なんていない。だれもいない。だれも住んでいないし。
でもここが故郷だっていう、りゅうちゃん。
ここで育ったらしい。
周りを良く見たら、古い木材とかが積み上げられてたりした。廃材っていうのかな。あと、土台みたいな石の造りがそこかしこに残ってて、なんか、建物があったんだろうな、とは思ったけど。
でも、まさか冗談だよね。
こんなところ、なにもないじゃん。
ここで育ったって、どういうことなの?
廃村とかいう言葉聞いたことあるけど、これは、村…にも見えないし。
ゆか、またボーッとしてたら、りゅうちゃんは歩き出した。
そして、草を掻き分け、まるで隠されていたかのような場所の、一つの扉をあけた。岩に扉。映画でしかみたことない。なんか秘密基地みたいな感じでびっくりした。
りゅうちゃんはなにかつぶやいて、バケツやほうきをもってそこに入っていった。
ゆか怖かったけど、ついていった。
そこはね、そこは、下へ下へと石でできた階段が続いていたの。
懐中電灯がなかったらホントに真っ暗なだけの闇の空間。
空気が冷たくて、ちょっと、怖かった。
それに、りゅうちゃんにはなんか話しかけづらい雰囲気だし。
だいたい、ここが故郷とか、まだ信じられないし。
故郷っていうかあれじゃまるで…。
かなり階段を下ったら広いとこについた。
懐中電灯で照らしたら、最初に目に入ったのは、なにかきれいな塊。光が反射してすごいきれいだった。キラキラしてた。
りゅうちゃんは鞄からペットボトルを出して、そこに入ってた水道水をバケツに移して雑巾を水に浸した。そしてそのきれいな塊を丁寧に拭いたの。
それなあに?って聞くと、村の守り神って真顔でいった。
村?
やっぱり村なの?
とてもそうはみえないけど。
で、ゆかちょっと退いちゃった。
怖くなったっていうか。
でも真剣なりゅうちゃんに悪いから黙ってた。
でもねでもね内心はすぐにホテルに、ううん、東京に帰りたい気持ちでいっぱいだったの。
だって、だって、なんか、こわい。
でも棒立ちなゆかに、りゅうちゃんは、良かったらその辺を掃いて掃除してくれないか、ってお願いしてきたの。
りゅうちゃんのお願いだから、懐中電灯をもったまま、わけもわからない暗闇の中を掃き続けたよ。
一体何を掃除しているのかもよくわからず。
ジメジメとした暗い空間。ほこりが舞う匂いがした。
シーンとしてて、空気も冷たくて。
アレを思い出した。
ずっとまえ果歩ちゃんや愛ちゃんと一緒に行ったなんとか鍾乳洞。
たまたま仕事のオフがみんな合って、プチ旅行したときの、アレ。
でも、あんな楽しさじゃあないんだなあ。
しばらく掃き続けて奥の方にいくとなにか固いものにぶちあたったの。
石だとおもって特に注意してなかったんだけど、りゅうちゃんがすっとんできたから驚いた。
でね、また信じられないことを言ったの。
「気をつけて掃除してね。それは、お墓だから。」
東京出たのが朝の5時だったんだけど、広島着いたら夜の8時だった!
途中サービスエリアで仮眠とかとったりしたけど、りゅうちゃん運転ごくろうさまだよー。
道がところどころ混んでたし、やっぱりサービスエリアも混んでた。
でもこれでもマシな混み具合らしいってテレビで言ってたよ。金曜、土曜が高速道路のピークだったみたい。
たまに寄るサービスエリアには「ご当地モノ」がいっぱいあって楽しかったけど。めずらしいお菓子とかいろいろ買っちゃった。
でもなんかほとんど景色は山ばっかりだったし、これ、帰りも運転するの大変そう。
でも観光も兼ねて数泊するみたいだから帰る頃には疲れもきっととれてるよね。
ずいぶん時間がかかっちゃったけど、何とか日曜日中に着けて良かったあ。
今日はもうホテルでごろごろしてます。ずっと座りっぱなしだったから体が痛い~。
広島っていえばお好み焼きが名物だし、楽しみにしてたんだけど、ゆかたちがいるところはお好み焼き屋さん全然なかった。広島市内だといっぱいあるみたいなんだけどここは違うみたいで残念。広島っていっても広いんだね。
明日いよいよりゅうちゃんの故郷に結婚報告いきまーす。
ご両親は無くなってらっしゃるようなので、昔住んでたご近所さん?みたいな人たちに報告に行くんだって。うーん緊張しちゃう。
でもりゅうちゃんが育った故郷、どんなところだろう。ちょっと楽しみだなあ。
今日は一日中指輪眺めてた。
オフだったし友達誘ってお買い物いこうと思ってたんだけど、なんかおうちでぼーっとしてた。
それとね、ゆかのわがまま聞いてもらって、結婚式は6月に挙げることにしたよ~。やっぱりジューンブライドって憧れちゃうもんね。
彼の知り合いの知り合いにブライダルコンサルタントやってるって人がいるからその人に頼むみたい。といってもいろいろ決めるのはもうちょっと先っぽい。ウェディングドレスとか~、ちょー選びまくって後悔しないようにしよっと。人生で一回しか着られないんだもんね。一回で済みますように(笑)
挙式は6月だけど、籍はなんと、ゆかの誕生日に入れることにしたの。12月6日なんだけど、そうすれば覚えやすいでしょ?って、これじゃ絶対に誕生日プレゼントと結婚記念日一緒にされちゃうなー。まあいいけど。
でね。結婚報告も兼ねて、明日からりゅうちゃんの故郷にご報告に行くことになりました。広島っていったかな。結構遠いんだけど、ちょうど大型連休くるし、お泊りだし、プチ旅行な気分でワクワクしてまーす。
てかこれからちょっと急いで旅行の仕度しないと。
いつかブログやってみたいなーって思ってたけど、何書いたらいいかわかんなくてずっと迷ってたんだけど、決まりましたー!
なんとなんと!先日彼からプロポーズされちゃったのです!
嬉しすぎる!!
なんとなく結婚はまだまだ先かなって勝手に思ってたからおどろいたけど、嬉しいよー!!
ダイヤのリングもらっちゃった!もう嬉しくて涙でちゃったよ。
彼とはいずれ結婚する気でいたけど、突然だったからすっごいびっくり!
でも、ホント、ちょー嬉しいよーー!
だから、今日から結婚式の日まで由香利のハッピーな毎日を書き残していきたいなってことで、ちょっとラブラブな毎日を記録していきたいとおもいますっ!
でもこれまだ彼には内緒。
結婚式が終わったあと、「こういうの書いてたんだよー!」ってサプライズで見せてあげるんだ。
写メとかいっぱい撮って、こっそり載せちゃお。
お料理の花嫁修業とかも、写メとったりして載せていきたいなー。
料理あんまり得意じゃないけど、りゅうちゃんのためだから、ゆか頑張っちゃうよ!!
見ててねーりゅうちゃん。
ってことで、今日からりゅうちゃんとゆかのラブラブブログ開始―!
二人の結婚式まで、ずっといいことありますように。